はじめに。私は一度見たものを隅々まで見てかつそれを覚えているということが大変苦手です。なので実際の内容ともしかしたら異なる場合がありますので、そこだけご承知置きください。
悪い話というか、そちらから先に。
Twitterでもツイートしたんですが、内容の満足度は50%といったところです。
〝Kalafina〟を語ろうとしたときに、私は梶浦由記さんなしに語れないと思っているんですが、あそこまでこう、徹底的に《梶浦由記》という名前を出さずにKalafinaが語れるものなんだなあと大変感心しました。
確かにすでに事務所は退所されてますが、始まりは梶浦さんがいて、空の境界という作品があったからこそだし、楽曲も、Kalafina三人の成長も――もちろん努力の賜物ではありますが――梶浦さんがいてこそでしょうし、だからこそ梶浦さんなしでは語りきれない部分も多くあると思っているので、物足りなさと事務所への憤りが残ってしまいました。
とりあえず悪い話はこれだけで、普通の感想を。
武道館当日の様子で本編が開幕。円陣をFBMとKalafina三人で組み、いつものように「マイヤイヤー」のかけ声。
そこでKeikoが言っていた「10周年楽しく、しっかり？（ここ曖昧）締めくくりましょう」という言葉。色々と報道があった影響で深く考えすぎなのかもしれないけれど、三人もあの武道館がラストワンマンになるかもしれない、という気持ちで臨んでいたのかもしれない。
OPは「Eden」。開幕にふさわしく明るいけれど、どこかもの悲しさも残した一曲。
KalafinaのLIVEに足を運び始めたのがAfter Edenライブツアーからだったせいか、少しだけこみ上げてくるものがありました。
最初は世界遺産ライブでの映像。このライブは行かなかったので様子が映像で見られたのは嬉しかったです。
鹿と戯れて激突されてるWakanaがとても可愛くて楽しそうで、思わずクスリ。
ストリングスリハ中にKeikoが一人でステージに立ち、マイクも持たずに練習している様子はものすごいストイックさを感じたし、本当にそのときそのときの音作りを大事にしてるんだなあと改めて感じました。
ストリングスライブの映像もちらっと流れ、ライブ映像が見られたのでとても良かったです。特にストリングスの「sandpiper」は好きなので気分がちょっと上がりました。
各自の故郷……思い出深い場所を回る場面では、それぞれが当時を思い出して今まで語られなかったような昔の話も聞けたりしてなかなか興味深かったです。Wakanaの髪色がとても明るかった……！
Hikaruのミュージカルをやっていた頃の写真が出てきたりと、このあたりも今まで公開されたことがなかったはず……なので、今の彼女を形成してきた過去たちが垣間見られ、こんなことをやっていたんだなあと。
若いというのもあるのかもしれないけど、「絶対できる」と思い諦めることをせずに音楽をやってきたWakanaとHikaru。初めて自分で「やりたい！」と思うものを見つけ、入り口は音楽ではなかったけれど結果的に音楽を発信する側に立つことになったKeiko。それぞれがやりたいことに本気で真剣で、果たして自分がここまで真剣に何かに打ち込んだことがあるだろうか、と考えさせられるところでもありました。これは毎回梶浦さんやKalafinaのライブに行くたびに思うことでもありますが、それだけ彼女たちから発せられる熱量だとか、決して妥協しない、諦めるということを知らない心が強固なんだと思います。
そんな三人だからこそ、自分が壁にぶつかったときに他の二人の様子を見てもう少し頑張ろうという気持ちにさせられるんだろうし、〝Kalafina〟というボーカルユニットが10周年を迎えられたのかなと思いました。
武道館前の話になり、個人練習から三人での練習、バンドを交えたリハの様子、衣装決めの様子など、あの日1日を作るために重ねてきた日々と、どうやってあの日を迎えたのか。あそこまで密着でやることはなかったので、色々やってきてライブがあるんだな、とは思うけれど、本番の、武道館のことだけを考えて、その場に合った雰囲気や曲作りを作り上げていく過程を見られたのは良かったです。
武道館当日のライブ映像もそこそこ流れましたが、あの日、あの場所でKalafina 10thを一緒に迎えることができて本当に良かったと改めて思ったし、もうこの三人が楽しそうにライブをしている姿も見られないのか……と思うとやっぱり悲しくなりました。
正直に言うと、色々報道が出てから驚きもありましたが、少し経って「あとはなるようにしかならないよな」と自分の中で割り切ることはできていました。でも改めて彼女たちの努力や裏の姿、ライブの様子を見たときに、三人がステージで並ぶ姿をまた見たかったな……と。自分の中ではあの日の武道館でしっかり彼女たちにお別れしたつもりだったので後悔はありませんが、できることならば梶浦さんの音楽を楽しそうに、でも真剣に奏でている彼女たちがこれからも見たかったというのが本音です。これは誰しも思っているこだとは思いますが。
三人の過去、現在が、ちょっと尺が足りない……！ とも思いますが、一つの映像としてまとめられたのは本当に良かったなと思います。
富田さんが中のインタビューで色々語ってくれましたが、Kalafinaの10年をああいうふうに振り返ってもらって、見守ってくれる方がいるということがすごくありがたかったし、本当にすごく彼女たちのことを見てくれてたんだなと思えて、自分のことのように嬉しかったです。
Kalafinaは周りの人にすごく恵まれたなと思っていて、富田さんもそうだし、最近だと加東さん、SPiCEさんなど……。それもこれも、彼女たちの努力の賜物だと思っています。彼女たちの頑張りと、その結果の音楽が、色んな人を惹きつけてやまないんだなと。
最後に……。ちょっと前述でも触れましたが、色々報道がある通り、おそらくこれまで通り三人で歌う姿を見る、という機会はなくなると思っています。
でも、転がり出した石は止まることを知らないし、本当にあとはただ、各自を見守るだけだと。三人がこれからどういう道を選択していくのはか解りませんが、ただただ、その背中を見守ることが自分にできることじゃないかなと思っています。
――未来はきみに優しいだろうか。
三人の未来が、梶浦さんのこれからが、優しく、祝福に包まれたものでありますように。
2018/03/31 shijima
